ここでは音楽著作権の話も書いていたので取り上げます。
http://plaza.rakuten.co.jp/ginganohotori/diary/200406300000/
幾つかのサイトで話題になってましたが,歌声喫茶のかたがJASRACに脅されている*1ようです。JASRACが飲食店をターゲットにこういう取り立てをやっているという話は最近幾つかWebで目にしていたのですが,このお店の方はとてもまじめで,JASRACが著作権を管理している音楽を(ほとんど?)かけてないにかかわらず,音楽をかけるのをやめて,お金を払っているように読めます。
しかし,ちょっとわたしとしては疑問があります。実際払わなかったらどうなるんでしょうか?。JASRAC(の担当)の言い分は「『飲食店には、そのような扱いはできません。裁判で、立証することは、困難でしょう?裁判には、お金がかかるんですよ。そのような、ぜんれいもありますから。払う気がなっかったら、法的手段に出ます。1週間時間をあげますから、 契約書に印鑑を押して、返送するように』」だそうです。他のお店でこの話を書いていたところも似たような事を書いていたので,おそらくJASRACのなかでこういう言い方で取り立てをすることになっているのでしょう。
でもそうか?…。ここでいう「立証」とはなんでしょう?。たしかに「音楽をかけてないこと」も立証できませんが,「JASRACが管理している曲をかけたこと」も立証できないのではないでしょうか?。だいたい飲食店の取り立ての規定なんて法律じゃなくて,単なるJASRACの規定じゃないんですか*2?。法的な拘束力があるのかも不明です。著作権法にそういう取り立てのルールまで規定されているのでしょうか?。
なぜこういう疑問を持つかというと,JASRACなんかより何倍も法的な拘束力を持っている税務官の脱税の取り立ても,実際に脱税をしている証拠を掴まないと,なかなか取り立てがしにくいからです。もっとも税務官は捜査権があるので,洗いざらい帳簿を持っていったりとかするので,ごまかしとかとっても難しいのですが*3。でも企業とかの脱税も,税法の解釈の違いとかで起きちゃうことが多く,また証拠が揃ってないことも多く,結局は裁判でしか決着がつかないのですが,そういうグレーなやつは税務署も争わず「指導」とか「注意」とかで終わってしまうことが多いです*4。
というわけで,わたしはこの喫茶さんは「裁判になったらお店が困るでしょ?」という風に取られてますが,実際はJASRACも困るんじゃないか?…と思ったりするわけです。いや,実際嫌だと思うよ。そんな小さな取り立てがいちいち訴訟を起していたら,JASRACの担当も人手が不足すると思うし,確実に勝てるならともかく負けたら訴訟費用とかもとれないわけで…。
というわけで,第三者なので,無責任で申し訳ないのですが,誰かが訴訟してみたらどうなるんだろう?…って事にとっても興味があるわけです。で,万が一JASRACが負けちゃったら,同じような取り立てが二度とできないわけで,JASRACとしても戦々恐々だと思いますよ。少なくとお店が負けたらお店が賠償(まぁ裁判費用とかも乗ってくるので,額は大きくなるでしょうけど)して終りですが,JASRACが負けたらJASRACはその後何百軒ってやろうとしていたのが全てパーになるわけですから…。
そういう意味じゃ,みんながお金を出し合って,こういうのを手助けするっていうのも手かも知れませんね。
グレーなのをちらつかせて脅かすのってやっぱりずるいと思いますよ。