たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

AVと萌え…,そのベクトルと障害

ちょっと前に書いたこれ↓。
http://d.hatena.ne.jp/taro-r/20040911#p3
「アダルトメディア・ランダムノート(ISBN:4813010962)」という本ですが,読み終えたので…,まとめて感想。本の説明はリンクを読んでください。
まぁ10年間のAVの話が書かれていたのですが,主に表現手法(というか題材)の話,ビデ倫の話,あとメディアの変化(VHSからDVD),ピンク映画の話,海外からの還流とかの話,そしてITがらみの話が多かったような。
多少残念な気もしたのは,AVの表現の拡張の方向がほとんどエロ表現の過激さ…を向いている事です。当局の規制のせいもあるんですが,つくり手と見る方が作品として評価するのにそういう要素がかなりあることです。ストレートに書くと「○○が見える見えない」「モザイクの濃さ」とかそんな話。AVだから当然と言えば当然なんでしょうけど,そういう中で,題材のおもしろさ,人間観察の妙…なども作品の評価としてあるみたいなので,エロ表現が過激であれば優れた作品…ってわけじゃないでしょうし…。でも当局とのせめぎあいというのはある意味,戦うという事の自己満足感も多少感じて,ちょっと「勝手にやってくれ」と思うような気もしました。
ただ,やっぱりAVの方も日本では性表現の規制が激しいので,独自の表現方法が発達した…というのは認めていて,逆にデンマークとかは性表現規制を撤廃したところ,徐々に売れなくなった…という話が書いてあって,非常に興味深かったです。
…などと書いているのは別にわたしがAVの話をしたいからではなく,このAVで起きている現象はアニメやエロゲ等のヲタコンテンツにもやっぱり当てはまるなぁ…と思うからです。アニメとかも局の規制があり,それと戦うために女の子の裸をだして差異を主張する作品も結構多いです。でも一方でそういう直接的な表現ではなく,暗喩等でいろいろ見ている方に鳴り響かせる作品もあります。基本的にだいたい規制は悪者扱いされますが,日本でこれだけAVとアニメが延びているのは,ある程度の規制があり,その境界線をいろんな方法で押し引きしているせいかもしれません。だとすれば,結構規制があるという事自体はいいことなのかも知れない…と思ったりもしました。