たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

信長協奏曲 7話

お市浅野長政のところに嫁ぎ娘も生まれ幸せな日々を送っていた。しかし足利将軍の信長討伐の命が届き,浅野家は信長との戦いに向かっていく…って話。
今更気づいたのだけど,この作品ってロトスコープなんだ。CG色が強くて変なつくりだなぁ,と思っていたのだけど…。
ここで原作の話を書くのはルール違反だと思うのですが,とりあえずネタばれにならない範囲で気になってることを書きます。
実は原作でずっと気になっているのが,サブローの行動理由です。信長になったから天下を取るとは今回アニメの中でも言いましたが,彼は歴史を変えたらいけないという思いで歴史どおりに物事を進めようとしてます。違和感は本当にそういうことが可能なのか?ということです。平和な時代に暮らしていた高校生のサブローが突然戦国時代に行き,信長を演じるってことは,多くの人を殺すってことになります。特に信長は残虐的なことも結構やってます。現代の日本人のサブローがそういう大量虐殺を指示するとか,そういうことをやることに葛藤はないのだろうか?ということです。
実は原作のサブローに比べアニメのサブローはよく言えば飄々としている,わるく言えばロボットの様な印象が強調されているような気がします。その飄々振りがもしかして運命に従うままに信長としての役割を演じていく…ってことに合理性を持たせようとしてるのだろうか?という気がしました。
で,もう一つあわせて思うのが,お市。こちらは原作を見たときの方が,ただ運命に従う戦国女性の印象が強かったのが,アニメでは逆に普通の女性に見えます。原作では信長が好きで奔放な性格なのは変わらないのに,いざ浅野に嫁に行けといわれると,言われるままにいきます。アニメでは嫁ぎ先でも結構幸せそうでしたが,原作では何を考えているか良くわからない…という印象を受けました。ただ本人がどう思うが家が決めたことに従うのは戦国大名の娘としては当時,当然の行動であり,なんと思っていようが,家が決めたことに従う人は多かったんでしょう。そういう意味でいうとサブローが信長の「天下をとる」という歴史的運命に何の葛藤を持たずにただ従うという異常性は,奔放な性格にもかかわらず戦国女性として家に従うお市を描くことで当然のことの様に受け取れるようにしている仕掛けなのかもしれない…という気がしました。
ただアニメにおいて市がわりと普通の女性の様に描かれたことでサブローの感情がないような印象は強調されたような気がします。