吸血鬼との戦いがひと段落し,集まったグレンの部隊。シノアや鳴海の隊は無事だが相原は仲間を失って帰って来た。グレンたちは市役所に向かい,相原は残るが,そこにミカたちが登場。情報が漏れるのを恐れ,相原は他の隊員に自決をさせるが,自分はミカに毒を奪われる。吸血鬼たちが市役所に行こうとすることをとめるためにミカと口裏を合わせ,偽の情報を掴ませる…という話。
ミカと相原が敵同士ながら優一郎(相原はグレンの隊自体だけど)を救いたいという共通の利害を見出し,他の吸血鬼をだますくだりは,見ごたえがあった。しかし2度も生き恥をさらし,相原は報われないキャラだなぁ。最後に死んだのかどうか,いまいちはっきりわからなかったけど,ミカはとどめを刺さなかった気もする。
吸血鬼たちも言っていたけど,帝鬼軍,特にグレンの部隊がグレンを信奉する様子が狂信的で,ちょっと気持ち悪く思った。まぁグレンも人間的に魅力的に描かれてはいるんだけど。
仲間や上司のことを熱く信奉し,自ら自決することはいとわない…という姿は日本人的美徳ではあるんだろうけど,一方でトップは人を支配することに囚われている野心家であり,末端の兵隊たちの想いが報われることになるんだろうか?という気はする。おそらくそういう気持ち悪さを感じるように描かれているのだと思うが,一方の吸血鬼も人間を家畜として差別しており,どちらにも共感できるように描かれていないところが,この作品の興味深いところになっている。
結局のところ,種族の戦いを描いているが,何度も語られている言葉である,家族というところに帰着するのかもしれない。