たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

刻刻 12話 (最終回)

赤ん坊になった佐河をとりあえずは樹里が育てることになった。他の人々は樹里がクラゲを追い出し,止界から追い出す。じいさんがしばらくはいたが,ある程度のところで,樹里は返してしまった。それでもしばらくは赤ん坊を育てていたが,半年を過ぎたあたりで,追い出してしまった。一人止界に残った樹里だが,話相手はおらず,変化がない世界に徐々に心が蝕まれていく。自分に言い聞かせながらも,気分的に落ち込んだ樹里は,しばらく遠くに出掛けると止界を歩き始めた。しかし誰もおらず,だんだん自分がいることに意味が見いだせなくなった樹里は,ついにカヌリニ化しそうになる。その時たまたま近くにいた女性がそれに気づいた。彼女マリアは止界にもともとは入れる女性で石も彼の夫が作ったもの。自由に止界に出入りでき,彼女の力で樹里は止界から現実に戻る。そして歩いて帰ったら皆が待っていた…という最終回。
止まった世界で暮らす樹里に十分の尺が取られており,樹里と一緒にこちらも閉塞感に追いやられる感じがリアルで辛かった。マリアと出会ったのは,偶然過ぎるんじゃない?という気もするのと,抜けがらとなったカヌリニが樹里の近くを彷徨っていたのは,意味がわからなかったのだけど,マリアと出会えた何か理由があったのだろうか?
まぁいずれにせよ,ちゃんと戻れてよかったし,二度と止界に入れないという締め方も良かったように思う。あっマリアの名刺をもらったから,また可能なのか…。あと佐河は樹里が母親として育てるのね。翔子は兄をどういう関係として育てるのだろう…微妙な,切れの悪い終わり方が,いい味を出してる。
全体と通して,最初は梅津泰臣がキャラデザということで,見てみたのだけど,止まった世界で話が進むというユニークさと,なかなか先が見えない展開に,目が離せない,非常に緊張感のある作品でとても面白かった。キャラクターもみんなひとくせもふたくせもあり,主人公である樹里をはじめ佑河家の人たちが,かなり個性的で,今までにない感じだった。昔のTVドラマの様な雰囲気だった,のかもしれない。
ちょっと残酷なシーンとか,怖いシーンが多いのだけど,作品としての完成度も高く,とても良い作品だと思う。ありがとうございます。