たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

シュタインズ・ゲート ゼロ 全体を通して

全体の感想をかこうと思って書いてなかった。全話見なおすと時間がかかるので,今の時点で書いておこうと思う。
2クール全体を通して,大満足で面白かった。途中中だるみがあったような気もするが,よくよく考えると,無印のシュタインズ・ゲートも冒頭に退屈な話があったり,中だるみもあった。振り返ると無印と今回のゼロは非常によく似た構成をしてるように思う。
前半はラボメンの紹介や新しい登場人物が加わるエピソードを中心とし,中盤に大きな事件として,まゆりが死ぬ話が発生し,倫太郎はそれを回避すべくタイムリープを繰り返す。最終的にはクリスが自己犠牲を払うことでまゆりを救うが,その先にシュタインズゲートが示される…という構造はそっくりである。
しかし今回の話はあくまでも無印の23話βからの続きである。そしてゴールは23話の無印につながるところであるはずである。そういう意味では,番組が始まる前,ゴールは倫太郎がシュタインズ・ゲートの存在,そしてそこに至るために必要な「自分をだませ」に気づくことかと思っていた。しかし後半の緊迫感のある展開は,ほとんどタイムマシーンで過去に行こうとし殺されたまゆりを救うということに終始してしまった。しかもまゆりが過去に行くことと,倫太郎が「自分をだませ」に気づくことは直接リンクしていない。そういう意味では今回もなぜ倫太郎が自分をだませばシュタインズゲートに行けると気づいたのかはわからなかった。これはどうするんだろう?また別の機会に描くんだろうか?。
今回の作品を見ていて不思議に思ったのは,この作品にはヒロインがすっぽりかけているということだ。もちろん,マルチエンディングのゲーム原作らしく倫太郎の周りにはたくさんの女性たちがいる。彼女らと迎えるハッピーエンドもあるのかもしれない。しかしTVシリーズだけを見てきた自分としては,シュタインズ・ゲートのヒロインはクリスだろう。今回はそのクリスは一瞬を除けば死んでいるキャラであり,代わりに記憶を移されたAIであるアマデウスが出てきた。ただ,アマデウスがヒロインのようにふるまうこともなかった。もう一人のヒロインはまゆりであろうが,まゆりは前シリーズでもそうだけど,倫太郎の幼馴染であり,理解者であり,そして助けられるという意味ではヒロインなんだろうけど,どこか絶対に倫太郎とは結ばれないであろう…という哀愁があり,それは今回も貫かれていた。ただ,前シリーズに比べると,タイムマシンに乗るとかかがりとのエピソードもあり,これまで受動的であった印象を覆す積極的さもみせた。今回目立っていて実質話を回していたのは鈴羽だろう。ただ鈴羽はダルの娘でありヒロインにはなりえない。
そういう中で今回新キャラとして登場し,物語上重要な役割を担ったのは真帆である。合法ロリという美味しい役どころだから(w,というわけではなく,魅力てなキャラだった。クリスに劣等感を感じつつ,また倫太郎に好意を感じつつも,その感情を押さえながら倫太郎に協力した。未来の話を見ても,ダルと同じくもっとも倫太郎の力になったのは真帆だと思われる。しかし真帆は最初から倫太郎と恋仲になることをあきらめており,その距離感を保っているため,やはりヒロインにはなりえなかった。実は私は今回のキャラでもっとも魅力的だったのは真帆だと思っている。科学者らしい理知的であり論理的な思考,それゆえに恋愛や嫉妬心に対して表に出せず悩んでしまうところ。そして女性でありながら非常にさばさばした行動やしゃべり方…というのが,まぁ私の知るところの女性研究者像と割と一致している。それでいてあの見かけと声なので,反則である(笑)。
そういう意味では,今回の新キャラで最も魅力的であった真帆が,決して倫太郎とは恋仲にならないという風に描かれていたのが,悲哀を感じさせる。
とかいう個人的な思いはおいておいて(苦笑),やっぱり全般的には良くできた作品だった。原作はやったことが無いのだけど,前シリーズも含めて,原作プレイ組からも驚きをもって受け入れられているところから,原作の再構成がすばらしかったと思われる。
綺麗に終わって,もう続きは見れない無いと思うと残念,と書こうかと思ったのだけど,前述の通り,まだよくわからないところが残ってもいる。もしかしたら,また新作が作れるのだろうか?。まぁ世界線は無限にある。ゴールがわかってもこれだけ面白い作品が作れるということを証明したわけで,また新しいラボメンの活躍を見られるかもしれない。