たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

ID:INVADED イド:インヴェイデッド 13話 (最終回)

裏井戸を追う酒井戸と聖井戸は,奇襲をかけて倒そうとするが,すでに死んでいる裏井戸は何度もイドの世界で再生されてしまう。裏井戸を挑発し富久田保津のイドに裏井戸をおびき寄せた酒井戸と聖井戸は裏井戸を挑発する。そして裏井戸を騙し,イドの中のコクピットに裏井戸を乗せ,更にイドに裏井戸を落とし込む。排出装置も壊し,早瀬浦は永遠にイドの中に封印されてしまう。一方木記の元に向かう百貴は,彼女の力に何度も気を失いそうになるが,装置によりなんとかたどり着く。自分を助けにきたと一瞬喜んだ木記だが,自分が引き起こしたこと,そして助ける手段がないことに絶望し,百貴の銃で自らを撃つが玉が入っておらず,死ねずに絶望する。仕方なく箱に戻る木記。百貴はいつか誰かが木記を助けるから希望を捨てないでと訴えるがその時,木記は酒井戸の幻を見,少しだけ希望を感じる。木記が箱に入ったことにより,クラの職員は正気を取り戻し,鳴瓢と本堂町も無事排出されるが,富久田はすでに息絶えていた。早瀬浦の死は自殺として処理され,意識の戻らないままの職員もいるが,全ての真実は隠蔽され,そして名探偵による捜査は今日も続く,という最終回。
前半の名探偵同士の戦いは,最初の方だけ裏井戸の強さが出たが,酒井戸と聖井戸の挑発にさっさと乗ってしまって,最後は騙されて封印されるというあっけない幕切れで,小物感が満載だった。今回の話の黒幕だったのだけど,あえて矮小化したのだろうか。結局のところ早瀬裏の狙いはなんだったんだろう?。クラという組織とミズハノメの価値を高めたかったんだろうか?。でも結局のところは早瀬裏自身も異常犯罪者だったということなんだろう。7を神の数字として,犯罪の価値を高め様としていたあたりにそれを感じた。
後半は百貴と木記の見せ場。これまで断片的にしか活躍の場がなかった二人が,真のヒロインと主人公の様だった。肋骨を折り心臓を停止させながらも木記のもとに向かう百貴の迫力。しかし木記を助けることができず,結局木記自身も絶望に落ちる悲劇。十分な見せ場だった。
見ていて思ったのだけど,木記は「白い曲世愛」の様だ。全ての元凶は彼女の能力に起因していて,だれでも彼女に接触することで,おかしくなってしまうという点では曲世愛と似ている。しかし悪意を持って人を不幸にする曲世愛に対し,木記は誰も傷つけたくないし,彼女自身が一番苦しんでいる。アニメ作品では一人の女性が全ての元凶という作品はいくつかあるが,これだけ,本人が苦しんでいて,そして救われない作品は珍しい。それゆえに,この作品のエンディングは,重みがあった。余談だけど木記が愛なら,正崎善は誰なんだろう?百貴なんだろうか?,鳴瓢なんだろうか?。真面目で正義感が強く,また木記に強い執着を持つという意味では百貴は正崎に似てるが,最後に木記を救うのが鳴瓢かもしれないということを示唆したあたりは,鳴瓢なのだろうかとも思った。いずれも正崎とは位置付けが違う様だけど。
1話からとても面白く,そして最後の結末でも失速をしなかったのは素晴らしいと思う。ある意味ハッピーエンドにしなかったからとも言えるが,これは続編を作るつもりだろうか?。このまま木記が助かることも死ぬこともないエンディングは,先の話があることを期待させるし,いつか木記を助けてほしい。
とても面白かった。全体の感想はもう少し見直してから,また別途書きたいと思います。