たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

犬王

この映画の存在を認識してなかったのだけど,そこあにで話題にしているのを聞いた。湯浅監督の作品だと知り,慌てて見に行った。
ミュージカルと公式ページにも書いてるけど,見ていて,これはミュージカルだろうか?。ミュージックビデオだろうか?とか首をかげてしまったけど,いや,これはライブだ,と思ってしっくりきた。歌でストーリを語ってるわけでもないし,音楽に映像をつけてるわけでもない。まさにステージだった。しかもライトアップや照明,セットが大掛かりなライブを見てるような感覚だった。アニメでライブステージというと文化祭での演奏みたいなシーンはあるが,こういうプロのショーアップされたライブをアニメでというのは,新鮮な感覚だった。
以下,ストーリに触れるので,行を空けて。



演奏シーンが結構多かった。そういう意味ではストーリはちょっと淡白だった。
音楽はロックだった。しかも70年代くらいの初期のロック。もちろん琵琶で演奏してる設定だけど,音はエレキギターだった。どうしてこの時代のロックにしたんだろう?とはちょっと思った。
犬王の異形が父親の呪いみたいなもので,怨霊が成仏すると人間になっていくというのは,ちょっとどろろみたいだなぁと思った。友魚が幕府の抑圧に逆らって殺されたのに対して,犬王があっさり迎合したのは,拍子抜けというか,まぁでもそういうものか,とも思った。そういう意味では友魚の方が主役なのかもしれない。
時代が室町時代だけど平家物語なのは面白いと思った。実際あの時代まで平家物語は歌い続けられたんだろうか?
湯浅監督の映画は,画面に独特の作家性があるけど,キャラデザや,絵の書き込みとかは結構作品で異なる。今回は,松本大洋のキャラで顔はマンガ的だったけど,その他の作画は立体的だったようにも思った。

ちょっと演奏シーンがたっぷりでお腹いっぱいになったが,そういえばルーの歌の時は,最後の歌って踊るシーンが短くて,もっと見たいと思ったのを思い出した。そういう意味では,願いが叶ったともいえる。

映画を観終わって満足してるけど,総じての感想はもうしこしじっくり噛み締めないと言葉にならない。