たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

二宮ひかる 「エンゲージ」

恋風で近親相姦が議論なので,以前からもっている上記作品を読み返してみた。これには高校生の兄妹と姉弟が登場する。姉弟の方は姉が弟を好きで,だけどその思いを隠し,兄妹の方の兄と肉体関係がある。兄妹の方はまだ子供の頃に事の重要さをわからないまま肉体関係をもってしまい,それを親に見つかって以来,家で親しくすることが出来ずに重苦しく暮らしている。ある日ついに兄妹の方は親に隠れて再び関係を持つ。そのことを付き合っていた姉に告げたのをキッカケに「ずるい,わたしも」と弟に姉は迫るが,弟は拒否する。体はつながれないから手をつなぐと。
まぁ話がコミカルというか,変に重くなってない(この辺が二宮女史のうまいところだけど)ので,ある程度リアリティを感じないで読むことができ,そういう意味では恋風のような嫌悪感は無い。しかもコミックのあとがきを読むと,兄妹の方はやるだけやって飽きたらわかれるんじゃないですかね?とか本人が書いていたりする(笑)。たしかにこの兄妹の方は,子供の頃以降,親から疎まれて生きてきたことの反動であり,親から完全に独立した際には醒めてしまう可能性はあります。実は姉弟の方は後日談が発表されていて,相変わらず,姉は弟のことを好きだけど,手は出さずひたすら弟の成長を祈っているという話。
二宮女史が近親相姦を取り上げたのは,お互い思っていてもつながれない関係を描きたかったとのことですが,そういう意味じゃ「悲恋」なのかもしれません。でもやっぱり姉弟の後日談を読むと,好きだけど出来ない,だから可愛がる…っていうのは綺麗だと思いました。兄妹の方は,これから世間を欺いてひっそりと生きていく…とは決心してますが,でもなんとなく姉弟の方が話が綺麗というか…。
話が変わりますが,わたしはリアル姉がいますが,姉にそういう感情を持ったことはありません。でもこのマンガを読んでいると,そういう感情がなくても子供の頃に「ここにあれ入れたらどうなるかな?」とか思って試しちゃうこともあり得るのね,とか思ってしまいました(笑)。そういう行為とは別に,わたしは親にかなり小さいときに「キョウダイで子供生まれると奇形児が生まれるのよ」と教え込まれてましたが,あれは結構いい洗脳だったのだなぁ…とか思いました。それが効いて,姉がずっと対象外だったのかは,今となってはわかりませんが。