たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

ウルトラヴァイオレット コード044 12話 (最終回)

ファージが発症した044は狂ったように徘徊するが,ガルシアの呼び掛けに正気を戻す。ガルシアは044の行動から当局のネットへのパスワードを知りアクセス,044の元となった遺伝子情報を得る。自分のオリジナルの元に向かう044。一方キングを捕らえたダクサスはキングから自分がクローンであることを指摘されて逆ギレ。キングを殺すが,一緒に刺され,さらに自分がセットした自爆装置により死亡する。オリジナルの元についた044は助からないものの,オリジナルの妙な説得に納得し,生まれ変わっても誰かを愛することを誓い死ぬ…って話。
なんか最後は宗教的になっちゃったよ。ウルトラヴァイオレットって044のオリジナルの名前だったのか。てっきり044の通り名かと思ってたよ。ガルシアは044を思い出し哀愁に更けるし,ルカは妙に明るいエンディングで,なんか雰囲気に騙された気がする(笑)。ダクサス二世の実は人間のふりをしていただけ,というのは定番のオチだなぁ。いろんな話が頭に浮かんだ。
結局のところ,政府の忠実な僕だった044が組織を裏切り,逃避行して最後は昇天するというだけの話。実にシンプルなプロットだった。しかもその行動のきっかけが良くわからない。ルカを助けたのもわからないけど,結局「誰かを愛する」という遺伝子に逆らえなかった悲劇ということなのだろうか?。また誰かを愛すると誓って死んだ044,ってことは次のクローンもまだ同じ様な悲劇になるのだろうか?。誰かとまぐあい子を残すというのは,生物の本能だから,まぁ本能に動物は逆らえないということなのかも知れないけど,身も蓋もないなぁとも少し思った。

シリーズ全体の感想としては終わってみたらストーリは意味不明だったりシンプルだったりしたのですが,とにかく出崎・杉野らしいアニメで楽しめました。大胆なカット割とか独自の美学。全くの新人だったら,意味不明,トンデモ演出といわれても仕方ないのに,積み上げてきたものが大きいと,アーティスティックな表現が受け入れられていいなぁと思った(笑)。
それと声優の熱い演技。とくにダクサス二世の小山力也は凄かった。小山力也は他の演技もそうだけど,凄い声優だなぁ。あと他の男性キャラもとにかく熱い。ゲストのサクザなんて「シルバー*1」と叫んだ人もいたようで(笑)。主役で女性の朴ろ美も頑張っていたとは思うけど,他のオッサン達にお株を奪われていたような。
むさい男達を魅力的に描くという意味ではコヨーテラグタイムショーとかそれを目指しているように思えたけど,あっちがコケタのに比べると,本作はストーリはイマイチなのに声優の演技と演出で成功していたように思う。まぁ怪作だとは思いますが(苦笑)結構楽しめました。

*1:宝島です