たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

オタクカルチャーに対するメディアの戸惑い

新日曜美術館の話。キーワードで見たら偉くたくさんあって驚きました(^^;)…。やっぱりNHK教育TVで取り上げられた事が驚きだったのでしょうか?。いくつか読んでみると,いろいろ細かい突っ込みをしているところもありますが比較的好評でした。取り上げている人達はおそらく(いろんなレベルがあるでしょうけど)オタク側の人達でしょうが,番組自体が特に茶化すこと無く淡々と取り上げていたことに好感を持ったようです。よくよく考えると,すぐに突っ込みを入れ自説を語りたがるオタクにおいてこれだけ一般向けの番組が好感を持って語られるって事はかなり珍しい事で,それだけ民放などが取り上げているオタク像に対して失望をしているって事でしょう。
とはいえ,わたしはNHKも含めて最近の大手メディアのオタクカルチャーの扱いには妙な戸惑いがあるように感じております。バラエティとかでオタクという人物像を馬鹿にして茶化す様なものや,オタクという人物像に危険性があると訴える与太者は論外にして,NHK以外にもオタクカルチャーその物はともかく,アニメやゲームやフィギュアについてはたまに取り上げるようなことがあるように思います。
そこにどう戸惑いを感じるか?…というと,一方でメディアはこれからの日本の基幹産業の一つに「コンテンツ」を持ってこようとしてます。そして海外に現在もっとも評価されているコンテンツは実写の映画でも文学でもなくアニメやゲーム等のオタクたちが好むコンテンツなのです。もちろん大手メディアが大きく取り上げるのはジブリの映画や何百万本も売れる一般向けRPGの様なものですが,その業界に詳しい人に言わせれば,これらのトップのコンテンツがなぜ日本で生まれるかというと,その下にとても大きなオタクをターゲットとした市場があるからでしょう。ですから,本当は今後の日本のコンテンツ産業を予想していこうと思ったらその最下層(?)である,オタクカルチャーを理解しておかないとまずいわけです。
ところが,例えば一方のこれからの産業であるITと比べると,経済に興味がある人が「これからはITだ」と思ってITの技術マップや産業構造を理解しようと勉強して目にするものとアニメやゲームコンテンツ産業を理解するために目にするものはおそらく違います。ITとかだと「難しい,スピードが早くてついていけない」と思うかも知れませんが,アニメとかだとおそらく「何なんだこの世界は?」と思ってるのではないでしょうか?(笑)。だけど,これからの基幹産業だと思うと無視できない…,どっぷり腰まで浸からないといけないのか?…,という様な,そんな戸惑いを感じるのです。
日本の政治家,官僚は産業界にたいし非常に甘いです。国民が困っていても産業界を保護するような法律を作ります。ですからコンテンツ産業が本当に基幹産業になるならおそらく政界はオタクの方を向くと思います。そのためには支持母体とか作る必要あるんでしょうけど(オタクの人は嫌がりそうですが)。そういうことまで読んでいるのかどうかは不明ですが,わたしはメディアのオタクの扱いについては,なにかそういう屈折したものを感じます(一部の個人的に騒いでいる人は除く)。なのでそういうのを取り上げる番組を見ると,なんとなく滑稽で微笑んでしまうのです(取り上げられているオタクの人より,取り上げてている人達の複雑な心境ぶりがおかしい)。