たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

巌窟王 24話 最終回

そして静かに物語りは終わる。

伯爵の屋敷の崩壊から5年後,長かった戦争も終結に向かう。ユージェニーはパリへの凱旋公演が決まる。マルセーユではマクシミリアンが(戦争から?)戻り,それを向かえるヴァランティーヌ。遠い星ジャニアの市場ではバティスタンが買い物。その星にはエデが王家として暮している。アルベールは屋敷を手放すがその時にメルセデス肖像画の裏に手紙を見つける。それはかってエドモンがメルセデスに宛てたものだった。フランツの墓に祈るアルベールはそこにユージェニーのピアノを聴く。

  • 今回はオープニングあり…。
  • 戦時中…っていう描写ありましたっけ?…。
  • ペッポはモデルに。
  • 伯爵の家のみんなはエデに使えている。
  • 最後は再びオープニングの曲を再び,字幕アリ。
  • アルベールは官僚として,独り立ち出来ているようです。

うーん。満足….
[追記]前回怒涛の展開で,今回一話丸々エピローグに使う意味があるのか?…と思ってましたがありました。ある意味先週と今週の緩急の付け方は非常にうまい構成だと思います。とはいっても今回の中でも緩急をうまくつけてます。
まず最初に先週の屋敷の崩壊のシーンを描き,そのあと5年後の様子。ここではアルベールの友人達が表舞台でがんばっている様子,そしてジャニナの星では伯爵の元にいたエデやベルッチオ,パティスタン達が暮している。そしてエデの戴冠式にアルベールが秘書官補佐として訪問するという知らせが届きます。ここまでは未来に向けた話。ここでCM。後半はアルベールが5年ぶりにフランツの命日にお墓に現われるところから,しかし後半はすこし時間軸をいじり,アルベールが自分の屋敷の処分をしにいくところからメルセデスが持っていたエドモンからの手紙を発見する。一方メルセデスエドモンとフェルナンの墓の前でかっての二人との日々を思い出す。そして再びアルベールはフランツの墓の前でいろいろ語る。毎年フランツの命日にピアノを引きに来ていたユージェニーのピアノを聞き駆け出す。一方屋敷を去りパリの町を歩くアルベール…。この辺は二つの時間を交互にながしていたため,最初良くわかりませんでしたが,いい具合いに切って貼ってくれたように思います。前半の平和から後半はその前進し成長したアルベールが5年前の事を,単純に乗り越えたわけでもない…ということが語られ,それでもアルベールは前に進んでいく…という風に感じました。
…とはいえ一方メルセデスはただただ過去を思って生きていく寂しい人のようにも見えました。この物語り,大人達に子供達が巻き込まれた形でしたが,子供達が成長し乗り越えていくのに対し,大人達は生き残ったメルセデスも決して,立ち直ったようには感じず,むしろ墓守のような印象を受けました。
この物語り,アルベールは伯爵の復讐に巻き込まれて,苦難に逢いますが,結局一度も復讐心に襲われたりせず最後まで真っ直ぐでした。これはアルベールの育ちの良さもあるのですが,一方で彼の周りには常にいい友人がいたことによると思います。そういう意味で言うと,友人の裏切りにより地獄に落ち這上がったエドモンとアルベールはあまりにも対称的な気がします。別にエドモンの人付き合いが悪かった…と言いたいわけではないのですが(^^;)…,終わってみれば,伯爵の復讐の物語り…というよりは友情と愛に包まれた子供達の物語りだったようにも思います。
まぁでも登場した大人達(特に伯爵の周り)はかなりかっこ良かった…というのは最後のキャラ紹介をみてぞくぞくしたことから実感しましたが。
終わってみれば,もともと有名な原作で,約束された落ちであったのかも知れませんが,壮大な原作を2クールに切っても破綻せず,それでいてうまい演出と魅力的なキャラをしたて,かつ映像的にも冒険し,そのいずれもうまく行った希有な作品だったように思います。特に昨今,女性の声優ばかりが活躍し,かっこいい大人の男がたくさん登場するアニメって本当に少なかったので,この作品でかっこいい大人がたくさん出てきたのはとても新鮮でした。子供達の物語りかも知れませんが,大人のアニメだった気がします。