たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

涼宮ハルヒの憂鬱 「エンドレスエイト」

ふと思ったのでメモ代わりに。
わたしもエンドレスエイトを8回も繰り返す必要ないだろう…と思う派ですが,今回何度も繰り返しループを見せ付けられたことで,視聴者である自分と,作品の視点であるキョンの視点が完全に離れた…という実感を感じております。これってスタッフが狙ったことなのかしら?
原作既読ですが,ずいぶん前なのでどんなだったか忘れました。原作はこんなに何度も繰り返してるのを書いてませんでしたよね?。「涼宮ハルヒの憂鬱*1は,一貫してキョンの視点で描かれているように思います。キョンが見聞きしてない事件は描かれてないと思います。それで視聴者もキョンが持っている情報しか持ってない。裏で何が起きてるかほとんど知りえないという,キョンと体験を一体化するような感じでみているんじゃないでしょうか?。ところが今回は違います。そもそもエンドレスエイトは1万5千回以上繰り返されてますが,キョンは毎回忘れているはずです。確かに既観感は強く感じているし,徐々に強まっているのかもしれませんが,1万5千4百数回から1万5千5百数回の間で急激に既観感が発生したとは考えにくいように思います*2
毎回の初めに既観感を感じているキョンと「あぁ今回もループかぁ」と思う視聴者は持っている情報が一致しません。そもそも今回のループ脱出も最後にキョンが宿題を提案しましたが,これまでに宿題を提案しているかどうかの確信は長門以外は持てないのに,なぜ今回は違うことをやった…と思えるのでしょう?。というわけで,本来キョンに一体感を感じるはずの本作が,このシリーズで完全に分離したように思います。
実はわたしは涼宮ハルヒシリーズに対して「実はハルヒは特殊な能力を持っておらず,キョンを始めとしたSOS団員が勝手にそう思ってるだけの物語」とか「実はハルヒは能力がなく周りの長門や小泉や朝比奈さんが力を持っているだけではないか?」とか「実は力を持ってるのはキョンのほうで,周りのみんながキョンをだましているだけじゃないか?」とかそういう疑いを持っているのですが,今回のシリーズではキョンを初め他のメンバーが全員ハルヒに振り回されたことが客観的に描かれたという点で,これらの疑いが払拭された感が強まりました。それがある意味一番残念なことの様に感じております。それをスタッフが狙ったのであれば凄いな…とは思いましたが,それにしても8回は不要でしょう(苦笑)。

*1:アニメの方ね,原作は全部読んでいるわけでもないので

*2:そもそもキョンたちがループに気づいたのは何回目からなんだろう?