クロードと輝子は爾朗の前から姿を消す。一方小笠原での実験が暴露され,クロードに賛同した若者は,超人が軍事利用されているとし反米反戦のデモを起こす。爾朗はウルから輝子を元に戻す方法を聞きだそうとするが,あれが本来の姿だという。笑美が人虎の術を使い,輝子から魔女の部分を取り外すことを提案するが,輝子と会わないことを条件にする。かくして爾朗の前にクロードと魔女となった輝子が現れる。爾朗はエクウスで激突。ロック3の力でクロードを倒し,クロードは自らの力の暴走で金属と化す。笑美の協力で輝子も人へ戻る。クロードと魔女は倒れたが,爾朗の暴走が止まらない。超人たちの協力で爾朗はエクウスから取り出され笑美がロック3の力を収める。騒ぎは収まったが,爾朗は超人課を去った…という話。
1クール目の最終回ということで,これまでの超人が勢ぞろいする豪華な内容。超人たちが協力し歌を歌うシーンは熱くなったが,話としてはまとまってないな(w。まぁ続くのでいいんだけど。
これまで笑美をあまり好きじゃなかったのだけど,なんか今回は非常に健気で好感をもてた。自分の恋人である爾朗への恋心を隠さない輝子を疎ましく思いつつ,爾朗が助けるというのを助けるし,身をもって爾朗の暴走を抑える。少し母性が入っている気はするが,いい女だよ君は。
さて,爾朗が超人課を去った理由が示されたり,輝子の魔女化は収まったり,あとアースちゃんが修理中だった理由や,課長がいなくなっていたのも状況としてはわかった。44年以降爾朗は何をするために行動をしてるのか,よくわからなくなったなぁ。反戦デモの活動は,44年以降のシーンではあまり描かれてなかった様だし。まぁでも里見は健在だし天弓ナイトの正体も明らかじゃないので,まだ話的には続くか。
その他,今回印象的だったのは,サナエ一家で,戦後世代の平和の価値観についての語り。確かに今を生きてるのは,無条件に平和が正義だと刷り込まれた世代ではあるんだよね。それを指摘するところに,作者の思想を感じる。あと爾朗は20年の8月の爆心地から発見されたということ。それが示すものは何なのか。墜落した爆撃機に積まれていたのは爆弾だったのか?それとも別の兵器?。
今回,超人が二手に分かれて戦うシーンが描かれた。この作品では正義を守る超人を描くという形で,正義の多様性は結局は争いを生むということが何度も描かれている。そして純粋に困っている人を助けるというプログラムをされているアースちゃんの停止が,それが解決不可能な問題を生み出していることを示していたと思う。爾朗救出劇で少しごまかされたが,根本的な問題は解決してない。
1クール目は爾朗が超人課を去る44年を挟み込むように過去と未来が語られたが,2クール目はどこに向かうのか。この作品で示されている正義像に落としどころがあるのか。後半も楽しみである。