作画，美術，世界観設定，そしてストーリ，どこをとっても今期最高というべき素晴らしい作品だった。週一のアニメでこれだけの作品が作れるというのは脅威だろう。どれだけのリソースを確保したのか。世界観とストーリについては，原作の方が高評価なのでそれによるのだろうが，アニメ化の際に劣化する作品もあるので，やはりアニメという点でも評価すべきだと思う。
ただ美しい美術に対し，ストーリはシリアスでかつ残酷なものであり，見ていて爽快感を感じる話ではない。可愛いキャラクタデザインながら残酷な運命を背負い，それでありながら純真でタフな行動はけなげを通り越して，どこか狂人の雰囲気も感じる。アビスに魅せられた人たちが正常ではないという最初の説明を肩透かしすることなく重く感じさせた。主人公たちを年端も行かない少年少女にするというのは，キャッチーさからは理解できるが個人的には，もう少し上，リコとかは10代後半か20代くらいに設定したほうが，変な邪念が頭に浮かばず，やましさを感じず楽しめたかもしれない。大人が失禁してもいいわけだし(w。まぁレグはロボットなので，あの年齢でもいいし，その方が，あの真っ直ぐさはマッチするかもしれないが。
ありえない世界を描いたファンタジーのようでありながら，緻密に設計された世界はSFの様でもある。余談だがここ最近SFテイストのあるアニメ作品が徐々に増えてきてるような気がし，うれしい限り。
終わってみれば，十分に楽しめたが，それ以上に「すごい作品」という印象が強い。これをこれからのアニメの基準…というのは無理だろうなぁと思うくらい突出していた。
いずれにせよ素晴らしい作品を送り出してくれたスタッフに感謝したい。ありがとうございます。
