アニメでなるたるをやっていて一応観終わってから,単行本を読もうと思ってたんですが,終わったら急に店頭から消えて,ようやく最近揃ったので読み終わりました。
読み終わって思ったのは,「作者の鬼頭莫宏って天才だ」ということです。この人の作品は他に,ヴァンデミエールの翼,あと雑誌EROTICS fに隔号連載?話(3話),あとIKKIに連載の話を読んでみたんですが,いずれも,
- 話が斬新で残酷
- 機械の作画がうまい
- デザイン能力が極めて高い
を感じます。お話をつくる能力と画力が双方備わっているだけでも凄いのに,画力に関しては人間の絵,(既存の)機械の絵,空想の絵の全てが高いのが驚きです。全て本人の能力なんでしょうか?。もしそうなら天才だと思います。
「天才の安売りしすぎ」と言われるかも知れませんが,とりあえず言っておきます。
なるたるに出てきた戦闘機の絵も,かなりリアルなのに対し,竜の子のデザインの超現実さというのが,リアリズムと空想主義の両方の能力をもっているという感じがして驚くのです。
お話に関してはたぶん異論もあるかとは思いますが,アレだけの画力を持っている人がアレだけの話を書けるのはたいしたものだと思います。なるたる自身は連載時には冗長だ…という意見や,最後が強引だとかいう話もあったようですが,単行本でまとめて読む分にはあれくらいで丁度いいです。最後の強引さも…,勢いを殺さないためには,アレくらいはしょるのも手かな…とも思いました。
ただ個人的には少女を残酷な目に会わせるストーリは嫌いなので,どうもこの作者の中にある,少年少女趣味には賛同できません。まぁ,少年少女を主人公にすることによって描けることっていうのはたしかにありますが,たぶん,この作者はそういうレトリックを使わなくてもおもしろい話はかけると思うけどなぁ…とか思います。せめて高校生くらいを主人公にしてくれればいいのに…とかおもったりもします。