コユキは学校を止め,ベックを再結成しアメリカツアーにいく,ツアー先で竜介と合流…というところで終わり。連載はまだ続いているようなので,こういう終わり方でいいのでしょう。
淡々と街を描きライブシーン以外ではBGMを使わないし,画面の色も原色は使わず,濁った色合いにしているのは非常に落ち着いた妙なリアリティを感じるものでした。
全体を通して書くと,バンドを使ってコユキの成長を描く…という風にもいえるし,コユキを使ってバンドの成功を描く話…だったとも言えるでしょう。途中のいじめのシーンは見るに耐えない*1ところもありましたが,それ以外は結構爽快感がある話でした。個人的には音楽をアニメにするのはとても難しいと思いますが,この作品に関してはかなりうまく行っていたように思いますし,なによりもスタッフの音楽に対する理解や思いを感じました。もちろん,冷めてみれば,音楽と映像が必ずしもうまく同期してないとかライブハウスの熱さが伝わってこないシーンもありましたが,そうでないところもありました。まぁ敢えて苦言を言うと,お話の進め方としてコユキの歌がきっかけとなるのがかなりあるのですが,冷静に聴いて,そこまでの力を声から感じ得なかったことでしょうか。まぁでも,ボーカルパートと日常パートで異る声優を使った割には,そこまで違和感を感じなかったところ見ると,あの選択肢で良かったのかなとも思います。
…というわけで,楽しめました。今期のシリーズで異色の良作だっといえるでしょう。
*1:個人的に楽器が壊されるシーンは耐えられない