たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

グリザイアの迷宮・グリザイアの楽園 全体を通して

第一期となる「グリザイアの果実」は見てないし,実は存在すら知りませんでした。たぶんエロゲとかハーレム物ぽい雰囲気を感じて,新番組チェックの時に早々に外したのでしょう。なので今期の前にグリザイアの迷宮のホームページを見たときに,グリザイアの楽園という番組もあって,どういう意味かわかりませんでしたが,迷宮の方はなんかハードボイルドか戦記ものぽいのを感じ,見てみようと思ったのでした。
で,実際に迷宮を見ると,かなりヘビーな内容だし,時間も長くどうしようか,と思ったのですが,思いのほか心に残るシーンの描き方で続きが観たくなりました。脚本が高橋龍也というので惹かれたというのもありました。
果実はしりませんが,迷宮と楽園は風見雄二という運命に翻弄され過酷な人生を歩んだ一人の少年の物語で,迷宮はその生い立ちの話でしたが,迷宮から楽園に入っても雄二の過去話が延々と続き5話あたりでようやく娘たちが雄二を助ける話に繋がるが,その頃にはすっかり雄二に感情移入する自分が出来上がっており,雄二が女の子に囲まれようが,女性に手を出しまくっていようが,スーパーマンであろうが,なんか許せると思えるように持ってきてる演出がすごいな…と思った。
複数の女性を攻略するエロゲってどちらかというと男性主人公は無色かもしくは情けないキャラが多く,その分女性が中心に描かれるのが多い気がするのですが,この作品はまったく逆で,男性主人公をとにかく深く掘り下げて,女性キャラのほうが,十把一絡げの様に感じてしまうあたりがユニークだったように思います。
一姫という天才の姉を持ったが故に親にも愛されず,家庭も破壊され,それをきっかけにテロリストになり,救われたものの,兵士として生きた雄二。最後にヒースがクローンを作ったあたりからして彼も決して苦労して能力を身につけたわけでもなく,才能があったのかも…と思われますが,でも,なにもなければ普通に人生を歩めた男の子だったのかもしれません。それがもう十分に生きたというほどの人生を若い身空で過ごしたわけで,最後に楽園でハーレムを過ごす彼を許してやりたい…とそんな気分でした。
非常にハードなストーリを描いていながら,逆のちりばめが方巧みでいい生き抜きになってました。極め付けは義手のネタでしょうが。そういうわけで,非常に楽しめた作品でした。どうもありがとうございます。