たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

アニメにおけるパロディとかメタ視点とかそんなことの話

前回の舞-HiMEの感想は,
http://d.hatena.ne.jp/taro-r/20050114#p2
に書いた通りですが,書いていて…というかやっぱり観ていてか,妙な気持ち悪さがあって消えないので,ちょっと吐き出させて頂きます。すみません。
前回の話は「シリアス回」で,敵ながらも主要キャラが死んで…という回だったと思いますが,やっぱり「これってギャグだよね」と言いたくなる気がして止みません。その主たるところはやっぱりHiME達の出撃シーンなんですが,あれはどうみてもギャグですよね。視聴者サービスということで割りきって楽しんでもいいんですが,回全体がシリアスな雰囲気だった故に居心地の悪さを感じたのはわたしだけでしょうか?。いや,そもそもカグツチの復活シーンにしても,舞衣が大気圏へ行くことにしても,戦艦や戦車への攻撃シーンにしてもギャグというか過去の作品というかアニメ的手法へのパロディにしか見えません。だとすれば,アリッサの死ぬシーンや深優が(とても人が沈むくらいの深さがあるとは思えない)池に沈むシーンも,ありがちなアニメ手法のパロディにすら見えてきます。だいたい橋の爆破もそうですが,アレだけの事件が起きて学園のある街以外が出てこないのも変です。なんか,最終回に「実は風華学園学生による劇でした」という風に引っくり返して,いままで死んだキャラも全部笑いながら出てくるんでじゃないか?…と思うくらいの違和感を感じてしまいました。
もちろん現在のアニメはこの手のアニメ的手法のパロディだったり,メタ視点でキャラが劇中劇をやっていたり…というのは常套手段になっていて,そうでない作品を探す方が大変な気がします*1。美少女がロボットに乗ったりするのも,いろいろ理由をとってつけてますが,基本的には視聴者サービスであり,こちらもそれを承知で楽しんでいたりします。
とはいえ例えば,ケロロ軍曹はともかく月詠にしてもそういうパロディであることを意識的にやっていて,スタッフと視聴者がそれを共感することによって楽しむようになっている気がしますが,舞-HiMEの場合,その作品的立場自体を「タネ」にして曖昧にしている部分があるので,視聴態度に迷いが出てしまうのです。
しかし,そうやって今やってる作品を眺めてみると,アニメ的手法のパロディ(陳列)がストーリや設定に見えかくれしない作品ってほとんどないように思います。巌窟王とかファンタジックチルドレンとかがそうなのかなぁ…という気はしますが,後者はやっぱり宮崎アニメへのオマージュが感じられます。まぁマンガが原作だからかも知れませんがBECKとかの方が,むしろアニメぽくなく,そういう意味じゃあの作品はちょっと今期の作品では特殊な位置にいる気がします。
設定にご都合主義やファンサービスのないシリアスな作品って少しくらいあっても良いように思いますが,やっぱりそういうのって売れないって事なんでしょうねぇ…。

*1:子供向けの朝とか夕方の作品は違うのかも知れませんが,あまり観てないので