たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

S60チルドレン (2) (ISBN:406352079X)

ちょっと発刊から遅れましたが,買って読みました。一巻から読んでますが,とても気に入ってます。
S60年代に鹿児島での小学3年生の少年少女の生活を描いたものです。まぁわたしはS50年代に九州で小学生を過ごした人間なので,なにかしら近い空気を感じているのかも知れません。
でも,このマンガは別のその時代に流行ったものを描いているわけではなく,単に現代の道具(携帯のゲーム等)があまり出てこないという意味で当時であって,主に描かれているのは普遍的な小学生の生活な気がします。
ちょっとしたことで学校の仲間外れになることを恐れたり,周りに迎合したり,でもクラスにはちょっと変わったやつがいたり…,近所のイジメっこに脅えたり,成績がどうのこうのとか…。そしてその様子を主人公の晶は結構クールに観察しつつも,周りにしっかり流されて行くところが実にリアルです。
このマンガを読むと,主人公のクールな状況分析に「小学生らしくない」と思うかも知れません。でもそうでしょうか?,自分の当時を思うと,決して当時真剣に考えてなかったわけでもありません。子供である自分が,大人より考えが浅いなんて思ったことはありません。子供には子供の世界があり,結構辛辣に物事を考えていたと思います。それが大人から見たら幼稚な考えでも子供自身はむしろ大人よりも深く考えている…と思っていたように思います。そういう雰囲気をマンガで表わすには,当然主人公が考えることが大人臭くなるのも仕方ないわけです。それよりこのマンガのいいところはそういう風に主人公がクールにアダルトに物事を考えていても,実際の行動や周りとの人間関係は実に小学生らしいところです。その辺のリアルさが非常に良く,このマンガ非常に気に入ってます。
光子の不思議チャンぶりもいいですが:-)。