いろんな意味でシュールな作品なんだけど,それを認めざるをえないのはやっぱり歴史というか,その後に膨大なフォロアーがいるという重みなんだろうなぁ…と。
とういわけで,地獄(の入り口)に落ちた水木の話はそれっきりかと思いきや,実は続いていて…,水木がいなくなり家の電気代とか家賃を払えなくなった鬼太郎はお金に困ってると,妖怪に操られて,人をだまして妖怪の食べ物にしようする。が,その妖怪とドラキュラが同じ獲物に目をつけたので,喧嘩になりそちらは相打ち。獲物は水木の会社(病院)の社長で,鬼太郎を助けるものの,鬼太郎を警察に突き出そうとしたらがけから落ちて地獄に落ち水木と会う。水木は目玉オヤジの計らいで地上に戻る…,みたいな話。あとねずみ男登場。
ねずみ男が出てくると急にコミカルな感じになってゲゲゲのを彷彿させるけど,鬼太郎自体の黒さというか不気味さは残っているので,やっぱり独特の味わいがある。今回の妖怪同士の戦いに鬼太郎もねずみ男も絡まずに相打ちっていうのも,なんじゃそれ?…って感じだけど,まぁそれはそれでなんかいい感じなんだよなぁ(笑)。冒頭に書いたとおり,それが原点の持つ説得力なのかな?…とは思い観てました。鳥獣戯画じゃないけど,妖怪というか幽霊というか,あくまでも人間と違う生き物の戯言を観てるって感じがして,人間のためにとか人間に敵対して…とかいうのがほとんど感じられないところが,ある意味斬新なんですよね。それでいて人間の社会の論理に振り回されてるところも妙にシュールだったりする。