たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

CLANNAD AFTER STORY 全体を通して(あまり中身への言及はありません)

CLANNAD AFTER STORYが終わったので,前期の方も含めて…。というか,ちょっとkeyの物語自体のわたしの印象になります。Keyはファンが多いので,こういうことを書くと激しく反感を買いそうで怖いのですが,わたしだけが思ってることかもしれないというか,単にわたしとの相性みたいなものだと思うので大目に見てください。
わたしは,Key作品と京アニの組み合わせはCLANNADで初めて観たのですが,keyの作品は,AIRkanonもゲームのほうでやりました。ついでにONEもやりました。どれもすごくはまったのですが,はまるが故に妙な違和感を感じて, CLANNADには手を出してませんでした。まぁやったらはまるだろうし,楽しめるのは解っていたのですが。
違和感というのはKeyの作品はやっているとどれもゲームにはまる。やっていて心が揺さぶられる。ギャグのシーンは大笑いするし,キャラには愛着がわくし,そしてストーリには涙する。でも,それがすごく自分のそういう壷をというかスイッチを直接入れられているような気がする,気持ち悪さみたいのも同時に感じるのです。
それが何故なのかは良くわかりません。今回CLANNADでも感じましたが,Keyの作品には極端にリアリティが無い様に思います。女性キャラのキャラ立ちがものすごくて,現実にはいない言動をみんなします。そして境遇がありえないくらい極端です。そしてストーリもキャラがいなくなったり死ぬという極端な逆境,そしてそこからの生還というまたありえない展開を話のクライマックスに持ってきます。普通だったら,「そんなのありえねぇ」と笑い飛ばすようなプロットだと思うのですが,なぜかKeyの作品だとそれに入り込み,そしてありえない極端なふり幅に振り回されて,「感動」するのです。一歩引いて冷静に話を俯瞰すると,感動するのか?という話ですよね?。
Keyの作品はこういう極端な話のプロットとあわせて,ものすごく緻密な演出をしているような気がします。だいたいキャラが極端な言動をするのも,クライマックスの極端な逆境と生還という非現実的な展開に対して,リアリティという物差しを使わせないための仕掛けの様な気がします。リアリティを下げる仕掛けなのに,プレーヤ(視聴者)が引いてしまわないのは,その仕掛けにものすごく楽しさを絡ませてくるからでしょう。これでもかというくらい,プレーヤが面白おかしく楽しめる演出を前半で仕掛けてきます。しかもそれはリアリティをどんどん薄める方向に顕在化して行き,プレーヤはリアリティが無い方向,つまり話が今後どういう風に進んでも受け入れられる様に,お話の物差しを狂わされていくように思います。
そういう風にKeyの作品は極端なプロットと緻密で,しかも飴と鞭をうまく組み合わせた演出で,プレーヤの没入の促進と,大きな感動を提供する仕組みになっている気がします。そしてその演出はもちろん,脚本だけではなくて,ゲームでは特徴あるキャラデザイン*1と美麗な背景も,非現実的でありながら,受け入れたくなるような魅力を高めていると思います。
そして,今回というかKeyと京アニのコラボレーション。これは,脚本はともかく(笑)優れたアニメ的演出技術が高い京アニです。もう,解っていても逆らえないくらい,没入するわけです(苦笑)。
結局,この組み合わせははじめてみたといいながら,最終的な印象はKeyの作品をやっているときのものと変わりませんでした。ものすごく楽しめた,感動した,泣いた。でも,冷静に話を振り返ると,ありえねぇ変な話ばかり。なんでわたしはこんな話に感動してはまりこむんだよ…という。
お話を楽しむというのはそういうものだよ,という意見もあるでしょう。わたしもそう思います。フィクションというは,ありえない話を巧みな演出に拠って視聴者を入り込ませて,感動させるもの…というものだといわれればそうだと思います。でも,そうなんですが,なんかkeyの作品ってそれが,すごく極端な感じがして,感じるところを直接刺激されている,そういう感じがして,感動してしまっていいのか?…みたいな視聴後感を今回も感じたのでした。まぁそういう奴は,これらの作品を楽しむ…観る資格が無いといわれれば反論できません。そういう違和感を感じながらも楽しんだのも事実で,まぁ今後こういう組み合わせの作品が出てくれば観るようにも思います。あんまり文句をいうつもりもないし,こういうことを書くのはあまりしないようにしようとは思いますが,ちょっと以前から気になったので,一度書いておこうと思いました。
CLANNADの感想を総じていうとそういうことです。アニメスタッフの仕掛けた感動に,違和感を感じながらも,逆らえなかった(要は感動したし楽しめた)ということでしょうか?(^^;)。

*1:余談ですが,Keyの制服のデザインセンスはすばらしいと思います