菜穂はバレンタインの日,翔に声をかけ,祭りの日のことを謝り和解する。そして問題の日,みんなで全力で翔の自殺を止める。手紙のことを語り,10年後まで翔が生きてる世界を願う…という話。
なにが驚いたって1時間スペシャルというかじっくり1時間するのかと思ったら40分でエンディングが流れたことですよ…。
ということで,翔が助かったのは良かったと思うが,結局それは須和と菜穂が付き合わない世界線になったということらしい。まぁ過去を書き換えても現在が変わるわけではない…というのはそうなんだろうなぁ。じゃぁなぜ過去を変えようとしたんだろう。そういう世界があってもいい…って思ったってことか…。
なんとなくいい話で終わらせられて…って気はするんだけど,やっぱり最初に思った,須和と結婚した菜穂が須和と結婚しないもう一つの世界を作ろうとしたことには,妙な気持ち悪さを感じる。いや,翔が生きてる世界でも,須和と菜穂が結婚することもありえるんだろうけど…。だったらそういう自信があるとでも菜穂がいえば,また印象は違っていたか…。
全体を通して…未来から手紙が届き未来を変えていくというのはSFなんだけどそれ以外はSFテイストがまるでない学園恋愛ものだった。ただ翔の周りは親の死とか重たいテーマを扱っていて,話自体には深みがあったんだけど,上記の点はずっと気になっていた。個人的には,正直菜穂という女性が好きになれなかった…ってあたり,今作品は女性作家による女性向けの作品だったんじゃないかな…という気がする。