たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

クロノクルセイド (全体を通して)

幼少の時に光瀬龍萩尾望都の「百億の昼と千億の夜」を読んで神が人間のずっと上で何かを仕込んでいる…という想いがずっと強く残っているわたしにとって,クロノクロセイドが最終的にもってきた神と悪魔と人間と咎人の関係はその話のでき不出来を問題とせずわたしには興味深いものでした。
神とかもしくは宇宙人とか,つまり人間より圧倒的な力をもつ存在が人間の運命をコントロールする話はいくつも読んできてそれなりにいつも感じ入るものがあるのですが,人間の前に姿を現す作品が結構多いものの,最初の百億…もそうですが,クロノクロセイドも結局のところ神は姿を表わすこともなく,何かを語ることもなく只々人間やその他の存在は運命のように流れていく,という作りは結構好みです。もしかしたら神なんていうのは最初からいなかったのかも…って思ったりもして,そう言うところがかえってリアルだからです。
という終盤のテーマ性についてはぶちまけるという意味では良かったんですが,作品全体としては作品の性格が妙にぶれていて,こっちとしては見方が目まぐるしく変化して戸惑う作品でもありました。そもそも最初はクロノとロゼットが魔物退治するだけのアニメかと思いきや,意外にクロノは変身しないわ,ロゼットはへまばかりしている…どたばたギャグアニメか?…と思わせたり。中盤はアズやサテラが出てきてますます萌えアニメキャラアニメぽさもあっただけに,終盤の重い信仰は結構見てる方を戸惑わせたのではないでしょうか?。
まぁ最終的に重い話を途中まではどたばたで描くっていう作品はよくありますが,今回は本当に救いようがない終りだったので,結構いろんなところでいろんな事を言う人が多くて:-)。
でも,わたしは結構この作品が好きです。ロゼットにしてもアズにしてもサテラにしても出てきた人達に好感がもてたからかも知れません。ロゼットは実は重い宿命を背負っているのに実に前向きで人に優しいし(ダフネのマイアもそうですが:-)。わたしはロゼットはズロース姿の方が好きです(笑)。
24話をいろいろ中断もあって半年かけての放送ってことで,思い入れが強くなった部分もあるのかもしれません。残念なのは最初の数話で録画を失敗して,そのせいで,保存用には取ってなかったことです。一応2,3話見落とした以外は見てましたが,もう一度見直したい部分もあったんですが。
結局はテーマがぶれた(というか通して重いテーマをやるのはつらくて無理なんでしょうが)せいで最初に挙げた重いテーマを十分に描ききれず,セカイ系としてもキャラ系にしても中途半端になってしまった気がしますが…。
原作がどういう風になったのかは気になるので,時間ができたら読んでみたいと思います。

先日最終回の感想で「第二次大戦」って書きましたが,最後のレミントンのシーンはすでに1981年の絵でしたね。「これから」って表現は間違ってました。もうしわけない。