たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

舞-HiME キャラの役割について

上記に追記しようかと思いましたが,別項にします。
上にも書いてますが奈緒の過去が取って付けたように語られた感がありますが,それでも奈緒の過去の暴露は,なつきが「似た境遇」であることを意識することから,なつきのHiMEとしての復活には必要なものですし,なつきの復活は今回「大切なもの」を無くした舞衣が再びHiMEとして復活することを予見するために必要な描写だったのでしょう。
更にますます壊れ気味の静留様,どう考えても幸福な最後を向かえるとは思えず,もしかしてなつきに殺されるのか?…とすら思ったりもしますが,実際は一番地のお掃除など,結構便利に使われている気がします。余談ですが予告での静留さん,ちょっと蟹股気味では?…。着物着てるんだからさぁ…。
というわけで,改めてこの作品に出てきているキャラを見るとかなり緻密に役割を担っている気がします。逆に言うと無駄が少ない。無駄が少ないっていうのは緻密ですが,出来すぎ感も強く感じ…この辺のバランスは難しいところですが,まぁ2クールでこれだけのキャラを押し込めて有機的に機能しているっていうのは「見事」としか言えません。
こんなことを思ったのは今回なつきのマンションでの騒ぎを見ていて,街の人達が全然出てこなかったのに違和感をおぼえたからです。キヨヒメが街の中を歩いていても,全然大騒ぎになっていない。戒厳令とか全員の避難とかをやってるわけではないのにアレはないでしょ?…とは思いましたが,まぁそこまで描く余裕がなかった…というか,つまり話に絡まないキャラがほとんど描かれてない作品なのだな…と思います。初期の「萌え」の時はそれなりにいましたが,それでも少ないです。
というわけで,ふと思いつきでキャラの役割を整理してみました。仮説としてヒロインである舞衣をメインに,次点で命,なつき,そしてラスボスである黎人を関わりの中心に据えて見ると…。影が薄い順でかくと(笑)…。

鷺沢陽子(校医)
あまり活躍無し。碧の知り合いであることから碧を学園に引き込むための役割。あと碧の日常(佐々木教授)を語らせるための触媒。
瀬能あおい
舞衣の日常担当。また舞衣,命とルームメイトである奈緒を知り合わせる役割。さらにシスターのHiME暴露のきっかけ
原田千絵
舞衣の日常担当。説明キャラ。
日暮あかね
舞衣のバイト仲間であるが,メインの役割はカズ君とともにHiMEのシステムを視聴者に理解させること,さらになつきにHiMEのシステムを理解させること。舞衣と顔見知りだがそれほど親しくない…という位置づけにしたのは絶妙。
風花真白・姫野二三
HiMEだが戦いというよりは,過去のマツリの存在と現在への因縁を語るため,学園の裏っ側の存在をアピールするための存在。ただし碧へ切札(深優)を託すという役割もあり。
アリッサ・シアーズ
目眩まし(笑)。ラスボスと見せかけて一話*1で退散。ただし深優が今後話の切札になりそうなことから,深優を存在させるための役割とも言える。舞衣がマツリのことを知る前にやられ役になるという役目も*2
珠洲城遥
学園の日常部分での賑やかし担当ではあるが,メインは雪之のための存在,もしくは静留の狂気を表装化させるための役割。
菊川雪之
チャイルドの戦いを隠蔽したり,舞衣に情報を流したりと,お話が破綻するのを防ぐための便利な存在。舞衣と命を決別させるためにも一役。
真田紫子(・石上)
HiMEバトルの泥沼化担当。舞衣,なつきを奈緒と戦わせるきっかけ作り,そして舞衣に「望むもの」の自覚させるために存在。迷惑な存在のわりには,そんなものか?(^^;)。
杉浦碧
舞衣と視聴者に戦いは正義…であることを自覚させる役割…。でもそれは碧ちゃんの勘違いでした(T_T)…。HiME戦隊を組んで,HiME達を仲よくさせることにより,かえってその後の戦いを痛いものにする役割とも言う…。ただし最後に深優を起動したのは今後のことを考えると重要な役割。真白と一緒にマツリの謎を語らせる,更に舞衣にそれを知らせる役割も。
尾久崎晶
舞衣の大切なものであったはずである巧海を舞衣の目の前で消すための役割(^^;)…。
結城奈緒
HiMEバトルのヤラレ役。それも誤解から始まっているのである種気の毒。そして静留の正体を暴くための役割。それから上述のようになつきを復活させる役割。
宗像詩帆
舞衣にたいしていい男ではない楯を「かなわぬ恋」の対象にするための存在(笑)。ゲンナイを倒すことにより,舞衣と命を仲たがいさせる役割も。で,最後に楯を消すための役割。
鴇羽巧海
視聴者と舞衣に「舞衣の大切なもの」と思わせるための存在。舞衣の「ガマン(不幸)」の元。そして舞衣の目の前で消えることにより,舞衣をマツリの舞台に上げるための存在。
藤乃静留
話を一気に進めるために,いろいろためらい無く破壊してくれる存在(笑)。なつきがHiMEじゃなくなり,また復活するための役でもあったけど…。
楯祐一
いろんな意味で迷惑な存在(笑)。舞衣じゃないけど「あんたなんて」とわたしも言いたい。…というのは冗談ですが,基本的には舞衣の思い人で悲劇の人のはずなんですが…,行動があまりにアレで,とても感情移入出来ませんでした…。
深優・グリーア
あかねとともにHiMEシステムの説明の役割,そしてアリッサとともに目眩まし…の役割かと思いきや,おそらく最後に切札になると思います。なのでまだ不明。
神崎黎人
ラスボスだと思いますが,これもまた不明。
炎凪
舞衣の導き役,視聴者への惑わせ役…,話を進める上で,裏で暗躍する役,という意味で比較的裏の存在ですが,この人も最後までこうなのかは謎。

というわけで,残りのキャラは舞衣,なつき,命ですが,この人達は役割がかなり多いし,話の中心なので特に書きません。ただしなつきは多少便利に使われているような印象もあります。
上記のようにリストアップしたのは,どうも後半はキャラが役割のためだけに動いており,更に役割が終わったらすぐに退散しているように感じるからです。前半も遊びは多少ありますが,やっぱり役割の上での揺らぎという意味での行動のバリエーションという意味で,つまり各キャラがあまり話の本筋に無縁の行動をやって無い気がします(この辺はちゃんと見直さないとわかりませんが)。
キャラの行動に無駄がないのは,上に書いたように緻密さを感じますが,逆に出来すぎでセカイに閉じた印象を感じます。まぁこの辺は,どっちがいいか?…って事でしょうが,どっちでもいいし,舞-HiMEの設計の緻密さにはひたすら脱帽するところですけど…。
とはいえ, http://d.hatena.ne.jp/taro-r/20050118#p3 に書いたような居心地の悪さを感じているのも事実です(^^;)。
[追記]上記以外の雑魚キャラというと迫水先生,武田君,神父(牧師?)さん,神主さん,ジョン・スミス,巧海の医者…とかいますが,ほとんどマツリに直接的…または間接的に関係してます。あっ,武田君だけは別。この人は純粋になつきを汚すためにいるようです(笑)。つまりはそういうキャラがほとんどいないのがセカイが閉じた感じがするって事です。
[もう一回追記]復活したなつきの「大切なもの」ってなに?…っていう疑問が吹き出てますが,役割論からいうと,静留奈緒というより,静留を含めた「学園の日常」なのかもしれません。やぐされていたなつきが「日常」に感謝するとは思いにくいのですが。ただそうであれば,舞衣の大切なものも楯そのものより,楯を含んだ「日常」ってことになり,再びHiMEとして復活できるし,シスターの「あなたの中の真実を…」という最後のセリフも舞衣のための役割を全うすることになります。まぁちょっと安易かなぁ…。

*1:厳密には一話ではありません。でもアットいう間という意味で…

*2:奈緒曰く「あんた既に殺しているじゃない」