たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

終わりのセラフ 全体を通して

分割2クール。続きがあるとは聞いて無いので,おそらくここで一終止なんでしょう。
原作はまだ続いているそうだし,原作で謎がどれだけ語られているのかわからないのですが,思ったとおり,すっきりと終わることなく,多くの謎を残したままの終わりとなりました。でもタイトルである「終わりのセラフ」が最終回で出現したのですが,あれって原作もその通りなんですか?。
人類がほとんど滅んだ状況から始まり,吸血鬼に家畜として囚われていた少年優一郎が脱出し復讐をしていく…という話になるかと思いきや,意外にそういう部分以外のところが描かれてました。優一郎に関してはとにかく「家族」が何より大事という価値観が最後までぶれず,むしろ,シノアたちやグレンたちが家族に組み込まれていくことで,人間関係が広がっていくという構図になっていたのは面白かったです。
一方で世界観の方では,吸血鬼が一方的に悪いかと思いきや,人類を滅ぼしたのは人類自身であり,そして現在の帝鬼軍も吸血鬼と対抗するとことだけど,人類も支配するという構造になっている。また上官に対する部下の関係が組織関係ではなく,精神的支配構造になっているというある意味カルト的な集団になっており,いびつに描かれている。なので,吸血鬼に視点を持っていくと帝鬼軍も滅ぼすべき相手となるのだけど,でも吸血鬼も人類を徹底して家畜として扱っている。
そういういびつな世界で何が正しいのかわからない…という場合,信じるのは家族だけ…というのはある意味全うであり,それゆえ優一郎の行動原理として設定されていたのは良くわかります。
それにしても,やっぱりいろんななぞがほとんどおきっぱなしになっているのはもったいなく思います。鬼とか剣の秘密も結局良くわからず,終わりのセラフこそ出現したものの,それが何なのかもわからず。吸血鬼はどこからやってきたのか?,クルルはどうなったのか?もわからなかったのが残念でした。
もっとも話としては優一郎とミカエラのお互いを求める気持ちが柱だったのかもしれません(w。でもシノアも結構冷めているようで,失敗もするし,優一郎おもいだし,魅力的なキャラで,案外こういうキャラいないよな…と思いました。
出てくるキャラがほとんど制服を常時着ているあたりもスタイリッシュでよかったです。そういう意味でいうと,オープニングは前半の方が曲もアニメもスタイリッシュでかっこよかった。後半は悪くは無いけど,前半が良かっただけに凡庸な印象になってしまいました。
総じて楽しめたのではあるけど,結局のところ,主人公たちが,敵に対して何も受けさせることが出来ずに終わってしまったのは,きわめて不完全燃焼感が強く,もう少し違った区切りのつけ方は出来なかったのだろうか?…という気がします。
是非続きを描いていただきたい。