たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

ウィッチブレイド 全体を通して

ちょっと間が空いちゃいました。もったいぶっても大して書くこともないのですが…。
本作品,とてもいい作品でした。母娘のテーマ…について書く前に一言…。この作品が始まったときにB級ぽさとエログロ方面から,スピードグラファーと比較する話がありましたが,話が進むにつれ,だんだんそういう声も減りました。でもわたしは結構スピードグラファーの持っていたカラーを本作品は持っていると思います。エログロは話が進むにつれて薄まって行きましたが,視聴者として明らかに大人を狙っている点や,描かれている街が,スラムというか荒れた日本の未来であることとか,キャラデザやタッチなど…。暗い背景画とか。
こういうところって原色の明るい色調のアニメと違い,なんか昔のハードボイルドドラマっぽくて好きなんですよね。GONZOの一つの持ち味であれば,続けて頂きたいと思います。
さて,ストーリについて。母娘というテーマさらに母性というテーマを中心として,他の話を完全に味付けにする割切りの良さが良かったです。とにかく伏線を引っ張らずに主要キャラでさえあっさりと退場させる。その反面,雅音と梨穂子の母娘関係だけはしつこいくらいに丹念に描いてました。玲奈ですら,雅音と梨穂子の血のつながらない親子の絆の強調に使いましたし,そもそも雅音の記憶の件や,いや,それどころかウィッチブレードの秘密ですら,完全にほったらかしです。でも,その辺,詳しく説明されても,「へー」で終わってしまったと思います。だからある意味正解だったのでしょう。そして雅音の巨乳ですら母性の象徴でありました。
ここまでしつこく母娘の絆を見せ付けられたら,娘を守るために,死んでいく母親の姿を見て感動しないわけがありません。意外性がない終り方でしたが,十分に泪を誘うものでした。そして考えてみたら,実は(たぶん)出産も結婚もしていない雅音が,これだけ娘との絆を築き,そして最後に多くのアイウェポンの母として昇華されていく…姿は,母親というのは,子供を産むことではなく,子供と触れ合うことによりなるのだ…という事を見せ付けられ,本シリーズが女性によって構成され脚本が書かれたことを考えると,ちょっと興味深いと思いました。
…とにかく,感動できる作品でした。チープなところも良かった。十分な良作です。