先日,この3月に終了した視聴アニメについて,個々の作品別に感想を書きました。とはいえ,なんか今期全体を見渡して感じるところがあったので,ここではそれを書こうと思います。
- 全体の傾向
- 現在のアニメは毎期数十本の新作が放送されていて,全作を見ることは不可能です。チェックすらできません。なので事前に公式ページでチェックして視聴作品を決めてます。ってことは,そこで自分の好みに偏ってるはずですが,結構毎回傾向が異なるなぁと思います。今期で感じた大きな傾向は以下に個別に挙げますが,SFやロボット物が少なかった。いや継続中のダリフラとかBEATLESSはそうなんですが,それ以外あまりなかった。あと最近の傾向として,話の展開が早く,ネガティブな要素を排除した作品が多い気がします。もちろん例外もあるのですが。ですから,1クールでも結構話が進むのですよね。どうでもいいトラブルを描かないというか。個人的な事情ですが,小さい子供がいるため,エロとグロが強い作品は避けてます。もしくは見たらすぐ消去するような感じ。まぁそんな感じですが,以下に,興味深いと思ったことを書きます。
- 現代劇のリアリティ
- 上にも前回も書きましたが,今期は現代劇が多かったように思います。SFとかファンタジーが少ない。ヴァイオレット・エバーガーデンは架空の世界で非現実的な義手とか出てくる話でしたが,主人公の彼女以外は,比較的現実の過去にありそうなレベルで描かれてました。宇宙よりも遠い場所も実際の南極探検隊とは違うのですが,船とかも現実にあるものをモデルとして描いていて,よりリアルに近かったと思います。あと現実の横浜を背景として忠実に描いている恋は雨上がりのようにや,福岡を描いている博多とんこつラーメンズの様なものもありました。現代劇の場合,SFやファンタジーと違ってあまりぶっ飛んだ展開にすると,トンデモな話になってしまいますが,うまくやるとリアリティが高いというか,身近な足に地がついた話の様に感じられるというメリットがあるように思います。今期はそのリアリティがうまく感じられる作品が多かったように思います。
- ゆるさない解決
- 今期一番興味深いなぁと思ったのはこの件。過去の罪を許さない話があった。具体的には宇宙よりも遠い場所における日向と元部活仲間の件,3月のライオンのひなた(こっちも「ひなた」だ),そして魔法使いの嫁におけるカルタフィルス。最後のは微妙なんだけど,明には許さなかった。日向そして報瀬が元部活仲間にもやもやして暮せと言い放ったことに賛同する意見をネットでも多く見ました。従来のアニメやTVの作品はどちらかというと過去の誰かの罪を許すことで,許した本人がその過去を乗り越えるような描き方をしていた気がします。3月のライオンの方はまだ事件にけりがついてないし,過去と思えるほと時間が経ってないないから許すというフェーズではないと思うけど,むしろ許さないことを強調していました。昨今いじめにたいする喚起はアニメに限らず教育系の番組ではよく見るのだけど,いじめた方に対して甘い態度をしないという意味で,いまは許すよりは許さないという風が受け入れやすいのかもしれません。
- 異物としての少女が出会いにより救われる話
- 件名通り,そういう作品が目立ったなと。具体的には,魔法使いの嫁とヴァイオレット・エヴァーガーデンがそうですが,先週見たダリフラもそういう展開に入り始めました。異物までは言わなくても出会いにって,苦しんでいる人が救われるという意味では,オーバーロードIIのツアレもそうだし,恋は雨上がりのようにのあきらもそうかもしれません。もともと物語の定番だ,という気もしますが,救われる方が少女で救う方が男性の場合,恋愛感情につながりやすく且つ,恋愛関係が対等になりづらい気がするので,少し気になりました。そういう意味では,宇宙よりも遠い場所の少女数名も出会いで救われてはいるのですが,こちらの場合,仲間と出会って的な感じなので,救われたというよりは成長したという風に感じました。
- 作画力
- 作画力が高い作品が多いなぁという印象。ヴァイオレット・エヴァーガーデンがもちろん筆頭ですが,ゆるキャンも宇宙よりも…も作画を前面に出さないけど,実は結構クオリティが高かったように思います。演技というと声優の演技の方に注目しがちですが,画力というのはつくづく説得力につながるのだなぁと感じることが多い今期でした。
だいたいこんな感じで。遅くなり且つ長いので,なんかいまさらな感じなっちゃいました。