たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

ソードアート・オンライン アリシゼーション WoU -THE LAST SEASON-

前シリーズのソードアート・オンライン アリシゼーションから全話見た。全部で4クールだっけ?すごいね,と思う。
正直前シリーズから,肌に合わず,ちょっとついていけなくなっていた。ネガティブな感想は書かない主義なんだけど,ちょっと興味深い考えが頭に浮かんだので書く気になった。
肌に合わない部分は大きく二つ。出てくる悪役があまりに残忍だったり変態だったりして,ついていけない。特に後半(WoU)のガブリエルやヴァサゴは酷かった。殺しても問題がないというキャラにするためかもしれないが,こういう人たちが通常は普通に暮らしているということ自体が恐怖に思う。前半のキャラにも耐えかねないと思うキャラはいたが,まぁあっちはNPCだからといえば,少しは納得。ただやっぱり変態じみたキャラが多いのは閉口した。
もう一つ,大きいのが,特に前半なんだけど,キリト以外がNPCだと思うと,どうも感情移入ができなかった。今回はNPCに人権をみたいなところで話がまとまったので,前半はあえて,キャラをNPCぽく描いていたって話を誰かが言ってるのを聞いて,なるほどとは思ったけど,個人的には少し抵抗がある。ただ後半のWoU編は,ダークテリトリーのキャラも含めずいぶん人間的に描いててNPCぽさは感じなかった。やっぱりわざとそうしてるのかもしれない。
最終回のアリスの記者会見で,アリスに質問をした記者のような感覚を私は持ってるのかもしれない。でもそれに対してアリスが,「リアルワールドの上位の世界があったら?」という質問をしたことはハッとした。それは私が幼少の時からずっと考えていたことだから。だからこそ私はここで書くのだけど「誰も転輪王に会ったことはないのだよ」*1と。
加えて,この作品に同時期に放送されたデカダンス。こちらは,立場的にNPCであるタンカーが人間であり,プレーヤーがサイボーグである作品である。タンカーは物理的な肉体を持つ生き物であり,データであるアンダーワールド人とは違うんだけど,まぁでもデカダンスNPCに見てる方は共感するんだよなぁ。いやサイボーグにもしたけど。
これまでのゲーム世界にダイブする作品は,ログインした人間同士のふれあいを描くこと多くNPCは人格を持って描かれることは少なかったように思う。ログホライズンがすこしNPCとの問題を描いていたか。SAOはゲーム世界だけではなく現実世界もよく描くので,それゆえにゲーム内のNPCに個のキャラとして立てたのは,挑戦的な内容だったと思う。まぁでも,私の感覚的にはついていけないと思うところもあったというわけ。でもデカダンスを同時に見て,ゲーム内のキャラの人格とか人権とかよくわからなくなったなぁと思った。そういう意味では,肌に合わないと感想を書いてなかったが,いろいろと考えさせらえる作品にはなった。3ヶ月前に放送されていた,ここまでは思わなかっただろうなぁ。

*1:この作品は百億の昼と千億の夜を外側から描いたのかもしれんなぁ,と思った。それが宗教ファンタジーではなく近未来SFで描けるあたりが感慨深いのだけど