シン・ウルトラマン,そろそろ上映回数も減ってきて,見ておかないと見れなくなるなってことで見に行った。面白かった。楽しめた。エンターテイメントですね。庵野さんの作家性が存分に出ていた。エヴァンゲリオンの…,とかいろいろ書いてもいいんだけど,ネット見たらみんな書いてるので,ちょっと思った別の話を。
私はジャズが好きなんだけど,ジャズミュージシャンで現在大御所になってるような人で,デビュー当時,つまり20代とか30代前半とかに,アヴァンギャルドな音楽とかロック,ファンクみたいな音楽をしていた人はたくさんいる。でもそういう若い頃にとんがった音楽をやっていた人が,歳をとると伝統的なスタイル,スタンダードとかやったりする。でもそういう人たちがやるスタンダードは,しっかりその人らしさ,つまり作家性が存分にでてる。これはロックミュージシャンが歳をとってブルースのセッションとかやっていても,その人らしさが出てるのと同じような話だと思う。結局伝統的なスタイルに回帰するのかと思いきや,そうなんだけどそうではない。若い時にとんがったスタイルは,若気の至りなのか?というと,そうかもしれないけど,でも,その人の個性を形成するのに必要なプロセスだったようにもおもう。
これから思うのは,若い時は人とは違ったものを模索して突拍子もない表現をやったりする。でもそういう経験を重ね,成功する人は個性を形成していく。そしてそれが十分に確立されると,普通のスタイルをやったり,伝統的な作品をなぞってみても,十分に個性が出る,といういうことが言える。あぁ,同じようなことだなぁとシン・ウルトラマンを見て思った。