たろぁーるの日記

たろぁーる氏が書いているぶろぐ。主にアニメとかマンガとかテレビの感想と一人言。ネタバレ結構あります。

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない

青春ブタ野郎の新作映画。公開の週に見に行った。映画をこんなにすぐに見に行くのは記憶にない。まぁ春からTVシリーズ,あと前作映画の配信と続けざまにやっていて,気分的には相当盛り上がったので,他から情報が入ってくる前に見ようかなと思った次第。

タイトルからわかるように花楓の話。TVシリーズでは最後花楓が記憶を取り戻し,かえでが消失したところまで描かれていた。その後の映画「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」では,花楓が麻衣らと仲良くしてるシーンは描かれていたが,どういう状態になっているのかはあまり詳しく描かれなかった。以前のようになったのか?学校には通ってるかなど。そういう意味では,その辺がしっかりと描かれた。
ということで,まだ公開したばかりなので,この後は,ネタバレありますよと,告知しておく。









さて,映画冒頭とエンドロール後に,咲太がランドセルを背負った麻衣と出会うシーンがある。これは次回作の予告だよなぁと思った。ただ,それはいいとして,ふと今回の映画にそれ以外に思春期症候群らしきものはなかったのではないか?と思う。そういう意味では少し意外だった。花楓の体にアザが出るのは思春期症候群の一種だろうか?とTVシリーズの時は思っていたが,今回出たことから,これは純粋に気持ちの問題で発症する病気なんだなと思った。
そう,そういう点でいうと,花楓は記憶は戻ったが,発症前の花楓に戻ったわけではない。学校はいけてるようだけど,保健室登校で,クラスメイトには会えてないようだった。花楓が戻ってきたからと言って,それまでに花楓に起きた問題が綺麗に解決するという都合のいい話はなく,今回はそこを丁寧に,落とし所に落としていく話,だったように思う。
TVCMで散々流れていたので,隠すまでもないが,花楓が,咲太らが通っている高校を受験するという話だった。不登校の子どもがどのように進学していくか,という話であり,結構シビアな問題のように思った。どういう話にすれば納得いくのだろう?と考えた。花楓は記憶は戻ったものの,いじめにあっていた記憶もある。そんなにすんなり立ち直って,以前通っていた学校とは違うとはいえ,通常の高校に通うというのは,都合が良すぎるオチになるようにも思った。でも,最初から通信制の学校に進むというのも,ドラマとしては少し見所がないだろう。だから一旦は咲太の学校を目指させ,勉強ではなく体調で受験を失敗,一旦落ち込ませたものの,咲太らの協力もあり立ち直ったという形にしたのだろう。咲太の学校に定員割れで合格というのは,なくてもいいのだろうが,仕方なく通信制に行ったわけではなく,選んだという形にしたかったのだと思う。
花楓が普通に人混みを歩けたり,見知らぬ人とコミュニケーションを取れるにはまだ回復はしていない。そういう中で咲太らの高校に行ってもうまくいかないのでは?とは思うので,通信制の学校を選ぶのは妥当な気がする。そういう意味で落とし所としては,ここなんだろうと思った。青豚シリーズの作りからすると,思春症候群を起こして,受験に失敗した花楓にやり直しをさせるということもできたんだろう。ただ,青豚の読者がどの辺かは知らないが,学生にとって受験を何度も都合よくやり直せるというストーリは共感を得ないだろうなぁとも思う。不登校がすぐに解決するというのもやっぱり共感を得ないのだろう。だから花楓の問題は時間をかけて丁寧に描いていく必要があるんだろう。
ストーリー的には以上。以下は,思ったこと。
麻衣は咲太より自分の方が咲太を好きだと公言しても,咲太を尻に敷いているところは,すごいなこの子と思った(w。
花楓が最初「みんなと一緒がいい」と言っていたのは,以前の朋絵を思い出した。でも現状の朋絵はそれを脱している。この作品は咲太の態度もそうだけど,青春期に,周りに合わせることのしんどさを描いて,そこから脱するところにカタルシスを持ってくるようにしてるのだなと思った。
咲太がバイトに精を出しお金はあったほうがいいというのは,咲太経済的に苦しいんだろうか?,子供二人で親と別居するくらいの資金力を親たちは持ってるのに?とも思ったが,咲太らの両親は母親も病気で,花楓もあの状態で別居せざるを得なくなったわけで,たとえ父親が高給取りだったとしても,結構入り用だよなぁと思う。特に母親に父親がつきっきりなら,父親は存分に働けてないかもしれない。この作品親の経済の話を描いていないが,親の世代の自分からすると,もしかすると,子供の教育費として貯金していたお金を,現在の二人の別居に使ったりしてるのかもしれないなぁとか思った。まぁだけど,通信制の高校がいかほどのものかはしらないのだけど,そういうお金の都合で,彼らの道を選ばせてないのは偉い親だと思う。
とりあえずは以上。次の映画も見るだろうなぁ。その頃にTVの放映もあろうだろうか。楽しみにしておく